幼児教室PAL パル・クリエイション

   
パル便り

はるパル便り「2011年度」

一年が経ちました。3・11がめぐってきました。皆さんにとってこの一年はどんな日々でしたか。又、一年目をどのような思いで迎えましたか。
 あの日、パルでは年中さんの授業中でした。津波にあった人たちのその日の感覚を、一年経ってやっと報道で聞くことができましたが、出会った事のない災害を、危険と察知するのは不可能だった、と云うことでした。映像では波が迫っているのに、まだ立ち止まって波に迫りくる様子を見ている人が映し出されていました。私達も同じ様な状態でした。一度目の揺れで、すぐに屋外に飛び出すことはできませんでした。余震が来て、やっと逃げなければという意識に至りました。子どもたちは冒険仕立ての体操に真っ最中だったので、地震もストーリーの効果くらいにしか感じず、避難も楽しそうに?!行いました。子どもたちに怖い思いをさせることがなかったのは、不幸中の幸いでした。今後地震が起きた時には、今回の経験を活かし、速やかで適切な行動をとります。
 6時近くまでかかって、ようやく全ての子どもたちを保護者の方に返すことが出来、さてスタッフは帰ることができるのかとネットを調べると、交通網は全てアウトだと云うことが解り、横浜、調布、大田区、到底帰り着けないスタッフを我が家に泊める決断をして帰路につきました。その時はもう、春日通りが徒歩帰宅者でいっぱいでした。食事をしなければ、と皆で飲食店に入りましたが、何を食べても味がわからなかったことを覚えています。それからの日々は、熱に浮かされたような日々でした。被害の大きさを知って驚き、余震が何時どこに起こるかを恐れ、原発事故の影響に震え、未だに全てが元通りになったとは感じられず、知らず知らずストレスを留めている気がします。
 ずっと続いた平穏でない日々の中で、私達は危機に鈍感になって過ごしてきました。そして、何が根本的に大切かと云うことなど考えることは止めてしまいました。我が大切、我が家が大事。でも社会が平穏でなければ、我も我が家も平穏ではいられない。平穏でない事態になった時に、人は英知を持って切り抜ける能力を持つ必要があるのではないでしょうか。そして今を生きる子どもにはその能力を育むことが是非必要です。自分を大切に、そして人に優しくできる子どもにしていかなければいけません。それには可能な限り豊かでおおらかな時間を子ども時代に保障してあげなければ、事態解決能力を育める子どもは育たないのではないでしょうか。
 年長さん、小学校入学おめでとう。明るく元気な一年生になって下さいね。

 

パル便り「2011年度 3月号(チャイルド)」 

今年の寒さはひとしおですね。何度も寒波が押し寄せてきて、少し暖かくなったかと思うと又身も凍る様な寒さが来ます。空気が乾燥していて、インフルエンザに取っては活動しやすい環境になっていると見え、流行はなかなか収まりません。予防注射を受けている人も感染してしまうようですが、熱が引くのは早いようです。ただ、そのような人は治ったと判断してすぐに外出してしまうので、又ウィルスをばらまき、感染を拡大する手伝いをすることになってしまうようです。症状が出てから最低5日間は養生が必要とのことです。無理をしないようにして下さい。
 さて、子どもの健康について、インフルエンザ等にかからないようにする為にはうがい手洗い等の習慣化が云われますが、病気にかかる以前の体調管理はどうでしょう。睡眠は充分にとれているか、栄養の摂取は充分か、運動は足りているか、体の清潔は保たれているか、気分は安定しているか。これらのことが整っていて初めて、人は充実した気持ちで様々なことに取り組むことが出来ます。子どもの場合、これらの項目の管理は自身では出来ません。大人に頼るよりほか無いわけです。お母さんとの様々な話の中で、”なかなか早く寝かせられない”とか、”食が細くて、ろくに食べてくれない”  “運動量を確保することが難しい” 等はよく聞かれます。お母さん方の話に、一度にこの要素が3つ含まれることはまずありません。が、実は全ては繋がっていると思いませんか?
お母さんには、ご自分に取って一番心配なこと、又は一番不都合なことが強く意識されるのでしょうが、先の3つの要素は人の生活のサークルの中で繋がっています。早く寝る→早く起きる→ゆっくり朝食を摂る→体はきちんと目覚めきびきびとした行動が取れる→運動量が増えればしっかりとお腹が空くので、一定量の食事を摂ることが出来る→昼間活動的に過ごすと体は程よく疲れて早く眠くなる・・・これを繰り返すことで次第に逞しいからだが作られていくのです。疲れやすい、気力が弱い、すぐに体調を崩す、機嫌の悪い時が多い等は、上記の逆パターンですね。
 何をするのも体が資本。その体は小さい時からの積み重ねで出来ていくのです。3才の体力をずっと維持していけばいいのではなく、少しずつ動く時間を増やしたりハードな動きを加えたりして負荷をかけ、それでも日常を維持出来る体にしていくことが”成長”です。知力と体力は不可分です。お母さんが過干渉的に強制するのではなく、子どもが能動的に寝たり食べたり出来るようになるといいですね。お母さんの一工夫の知恵が望まれるところです。