幼児教室PAL パル・クリエイション

   
パル便り

パル便り10月号(チャイルド)

 8月の暑さは格別でしたが、9月の気温は順当に下がってきていて、お彼岸までに気持の良い気温に落ち着きました。それでも暑かったころのイメージが定着し過ぎていて、うっかり半袖だけで出掛けたりすると後悔することになったりします。気候の変わり目は、気温差に上手に適応することが必要です。又、
暑かった時期に蓄積された疲労が出てくる頃でもあります。体のケアを怠りませんように。

  アメリカのPrudden,B.は、幼児に対する運動の必要性に関して、「以前のアメリカの子ども達は戸外の野山を自由にかけめぐり、危険がなく活発に遊んでいたが、現代の子どもは環境的にこのような遊びを制限され、歩くことも余りしない。そのため身体的に弱く、精神的にも情緒の面でも問題を持つ子が出てくる。自分たちが過去にしてきた経験と同じようなことを我々の子どもにさせる為に、乳幼児期から運動を家庭でも積極的にさせるべきである。」と述べています。アメリカの持つ制限の内容と日本のそれとでは、重なる部分と異なる部分がありますが、いずれにせよアメリカで20年以上前にこのような提案がなされたという事実に耳を傾けるべきです。日本の都会のまん中に住んでいる子ども達は、更に物理的に駆け回る場所が減る一方なのですから。

 ただ、幼児に「運動をさせる」ことについての昨今の大人の認識は、かなりずれているのを感じます。大人が自分の健康維持のために運動をする、もしくは専門的にひとつの運動種目を極めたいと云う場合、自身の意志で目的を設定しますが、幼児はその目的意識を持ちません。幼児には目的を遂行する為の基礎(心理的発達、言語発達) が備わっていません。子どもは積極的な好奇心をエネルギーにして体を動かします。大人のように訓練を積むのではなく、その場その場を楽しんだ結果として体力や能力を得ることができると云うのが順当なのです。

 往々にしてお母さん方は目に見える成果を見て安心なさるようですが、その成果の獲得方法が受動的だった場合(幼児が運動そのものを楽しんでいる、遊びと捉えて様々な発見が出来る、というようなことが無いことを指します。)、幼児は運動することから得られる多くの要素を手に入れることが出来なくなります。幼児は友達とともに体を動かすことによって、社会性、情緒、パーソナリティー等を獲得していくのです。相互の力の連動によって、子どもの真の発達が望めるわけで、運動に関しては身体的な面にばかり着目するのではなく、心理的な部分により深い理解を持たなくてはなりません。

 気持の良いこの季節に、楽しい運動をたくさん出来たらいいですね。