幼児教室PAL パル・クリエイション

   
パル便り

パルだより9月号
 今年は台風の当たり年。南の洋上に次々に発生する台風に加え、日付変更線を超えてハリケーンが台風に変身、というものまで到来で、今年は何号までやってくるのでしょうか。猛暑日は一段落しましたが、あの辛い日々を冷房でやり過ごした身体は、さぞや疲れている事でしょう。気候が安定してから夏の疲れが出てくる事もしばしばです。気を付けて下さい。

 今年の合宿は、そんな猛暑の中の出発でした。出かける前は、熱中症のことばかりが気にかかり、あれこれ情報を取得したりしたのですが、今年のリーゼンヒュッテは爽やかな風が吹き渡る快適な気候で、心配は杞憂に終わりました。標高1200メートル越えは伊達じゃないことを再確認しました。5月の終りに、毎年行う下見に行きました。リーゼンでの合宿は今年で5回目。今回は活動範囲を広げてみようと思い探索した結果、素晴らしい場所を発見しました。
樹木の中を歩きながら、ここでどんな活動が出来るか、イベントが仕掛けられるか想像していると、するするとアイディアが降りてきて、今年は楽しい合宿になるぞ、という予感がありました。

 今回のイベントは、宿舎の前の山と、新しい場所のある山とを行き来する、壮大なスケールで行いました。初日先生が、記号のようなものが書かれた葉っぱを拾うところから始まります。何だろうね? 子ども達も集まってきて思案投げ首。佐藤先生がスマホで写真を撮ってグーグル検索にかけたら、「ウサギ神の祠発見! 指示を待つ」「今夜、計画実行!」のような翻訳になりました。今風なストーリーでしょ。そして次の日、ウサギ山から救援依頼の手紙が! 宿舎前の山が、ウサギ達が暮らしている山です。その山にまつられているウサギのご神体がタヌキに盗まれたので、取り返して欲しい、というのが手紙の内容。子ども達は勇んで初めての山に向かいました。新しい山は、入り口から見渡すと、左が川(せせらぎ)、右が山肌、真ん中が林道という具合になっています。タヌキの祠を見つけよう、そしてウサギのご神体を救出しよう。という事になって、みんなそれぞれ自分に合ったコースを探索する事になりました。宿舎のそばを流れる本流では、子ども達に任せて水に入らせる事は出来ない程流れが速いのですが、ここの川は、水が山から下って本流に合流する前のせせらぎなので、何の危険もありません。しかもかなりの距離を登って行く事が可能で様々な起伏があり、子どもにしてみれば大冒険と云ったところ。山肌の方は、長いロープを尾根の上の木に結びつけて、そのロープを頼りに登っていきます。20メートルくらいはあるでしょうか。ロープを握った手には、自分の全体重がかかります。足を踏みしめながらの登山です。真ん中の道を登る子は皆無でした。

みんな川か山、どちらかを進みます。日頃は出来ない体験に、子ども達は心を引かれるのでしょう。いつもは余り感情を表に出さない子でさえ「水が冷たくて気持ちいい! 川最高—! 」と叫ぶ有様。こんな体験が子ども達を解放し、成長させていくのだと、つくづく思わされました。

 結果、かなり登ったところの起伏の裏側に、タヌキの祠を発見。中にとらわれの身となったウサギのご神体も確認でき、無事救出の任務は果たされました。
3時間程、この新しい場所で遊んだ後、ご神体をウサギの祠に返しにいくミッションも全員でこなし、お礼にうさぎから、ウサギ柄の万華鏡をもらいました。
タヌキはなんでウサギのご神体を盗んだのか。タヌキのご神体が気ままな神様で、時々ふっと旅に出てしまう。今回もいなくなったままかなり長い事戻って来ない。そうするうちにタヌキ山は秩序を失い、次々に悪い事が起こるように・・・。それでタヌキ達はよその神様でいいから、何とか祠にご神体を戻そう、という事でうさぎの神様略奪を実行したとの事。こんな破天荒なストーリーでも、子ども達はすっかりその世界に浸り、あれこれ想像を巡らし、目をキラキラさせて活動してくれます。今ならでは、今でなければ出来ない事、それがパルの合宿です。以上、合宿のご報告でした。
 2学期も張り切っていきましょう。


 
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