幼児教室PAL パル・クリエイション

   

パル便り

パルだより3月号 リトル/チャイルド

 2月に入って、日本列島には寒気と暖気が代りばんこにやってきて、北日本、北陸等は近年稀な大雪に見舞われています。東京には雪は降らないようですが、空気の乾燥が甚だしく、教室は毎日朝から夕方までずっと加湿器をかけっぱなしで乾燥を防いでいます。湿度が低く乾燥する冬は、実は「隠れ脱水症」に注意が必要な季節だそうです。暑い夏に比べると喉の渇きを感じにくいため、水分を積極的に取らない人も多くなりがちなんだそうです。子ども達はちゃんと喉の渇きを感じるらしく、夏場と同じく体操の間に水を飲みたがります。大人の方が感じ方は鈍いでしょうから、意識して水分を摂るようにしましょうね。
2月に年中さんは、粘土で器を作る授業をしました。この授業で子どもにしてもらいたい学習は、様々な器の作り方を自身で発見、発明してもらうことです。かつて、同じ授業を保護者の方に見学していただきアンケートを書いていただいたところ、「子どもがどうしていいかわからず不安そうにしているのに、なんで作り方を教えないのだ!」とお叱りを受けたことがありました。それからは、どうしてこのような内容の授業にしているのかを書面でお伝えするようにしています。この指導の方針はこのカリキュラムに限らず、形は違っても他のカリキュラムにも通底しています。
 少し授業の様子を描写してみようと思います。子ども達には先ず器の用途から考えてもらいました。どんな料理にどんな食器を使うか、実際に器を見ながら考えます。平皿に載せるのは、汁の少ない食べ物。少し深さのある皿は、カレーなどに適している。そんなことを確認しながら様々な食器について検討していきます。そしていよいよ粘土が配られて制作開始です。子ども達の前にはズラッと食器が並べられていて実物を見ることができるようにしてあります。まず初めにどの器を作るか決めようと促します。中には漠然と食器を眺めていて、どれを作るか決断できていない子もいるからです。茶碗、どんぶり、小鉢,銘々皿、長角皿、湯呑み、マグカップ、ワイングラスetc.色々ある中から選びます。そして約束を一つ。「今日は器の作り方は説明しません。どうしたらいいか、みんなそれぞれに考えてください。」作り方は仲々見当がつかなくて、小さくちぎった粘土をひたすら平らに敷き詰めていく子もいます。「考えて!」と言った以上、ここで口や手を出すわけにはいきません。しばらく立ち上げようとしてはぐちゃっと潰すをくりかえし、やがて一塊の粘土を手で潰して平たいかたちを作り、それを加工する方法にたどり着く子がでてきます。縁を持ち上げて傾斜を付け丸くしていくと平皿ができます。一続きの粘土の縁を持ち上げるのでなく、蛇を作ってそれを縁にして付けていく子もいます。ひとつ器ができてくると、ではもっと深い形の器を作るにはどうしたらいいのか、四角い小鉢はどんな方法で作ろうか・・・一気に思考が全開していきます。
 お母さん方はアンケートによく「家庭の食卓に並ぶ皿に、もっと気を遣いたいと思いました。」と反省を書いてくださるのですが、器の名前を知ることや用途を知ることは知識を増やすことです。「覚える」と「考える」は違う学びです。私が目指したいのは「どうやったらこの器を作れるんだろう」という思考の世界へ、子ども達を没入させることなのです。この先子ども達が受ける授業のどこに「考える」が盛り込まれているかを知っていただいて、さらに「考える」が持続するよう話題を展開していただけると、子ども達にとってより濃い知性が身につくことになるはずです。

          

授業のようすはこちらのフェイスブックよりごらんください。