幼児教室PAL パル・クリエイション

   
パル便り

パル便り「2010年度 3月号(チャイルド)」

 三寒四温をくっきりと感じられる訳ではないのですが、少しずつ春が近づいているように
感じます。今年の冬は結構辛抱を強いられる寒さだったと思いませんか。零下20℃等という
土地に住む人に取っては、何を寝言を云っているのだと云われそうですが、風が冷たくて顔が
ひりひり痛い、手先が麻痺しそうだ、等と感じる東京の冬は久しぶりな気がします。昔はこんな 
のが普通だったなー、と思うのではありますが。

 インターネット効果で革命が成就する様な時代になっても、未だ人類は地球規模の気候調整の
手段を手に入れていません。かつて目覚ましく進歩する科学技術を揶揄する表現として,今に
人間は足が無くなってしまうだろう等と云われたりしました。生活が便利になって動かなくて済
めば、足は退化して無くなってしまうだろうと云う訳です。本当にそうなるとしても,人類が足
を失う退化(進化)に至までは気の遠くなる様な年月がかかるはずで、それまで人類が滅びずに済
むかどうかは保障の限りではありません。今を生きる私たちが、依然として健やかな体を維持
する努力をすることが必要なのは、疑いの無い事実でしょう。子どもの身体能力もそうした意味
から再度見直し、きちんとした体作りをした方が良い様です。何か種目が出来るようになるだけ
ではダメで、実は日常のどんな状況にも対応できるからだが必要です。鉄棒や跳び箱が出来る、
なんて云うのは、普通に体が動かせることと平行して出来ていくべきもので、どちらが大切かと
云えば外で自在に体を動かす機敏性を持つことの方がよほど大切です。ですから時々外遊びに
連れ出す時は、様々な動きを要求される様な状況に導いて,子ども達の基本的運動能力に歪み
が無いかどうかチエックしています。何かに特化した運動だけを身につけても、子どもに取って
生活の中で役に立たなければやはり不自由でしょう。

 このことは単に運動能力のみでなく、他の学習についても同じ事が云えます。机の上だけ、
紙の上だけで子どもの学習能力を育てても,脆弱な育ち方しかしません。しかも学習は単に
学習の為の学習ではなく、学び得たことに得心がいって、自分の人生に必要であり役立つと
感じられるものでなくては意味が無い訳ですから、目的がかすんでしまうような学習の仕方
は避けなければなりません。良い成績だけを目指す、その為には錯誤的なやり方も辞さない
と云った学習を子どもに押し付けることがないよう,配慮したいものです。

 春になると一年生になる年長さんが,溌剌として学校に通い,楽しく学習に取り組んでくれる
ことを願ってやみません。そして、少・中の子ども達もパルの元気な活動の中で心身を育んで
いってくれることを願い、私たちも精一杯がんばります。