幼児教室PAL パル・クリエイション

   
パル便り

パル便り「2010年 10月号(チャイルド)」
 9月に入っても依然として暑さが去らず、日本はこのまま常夏の国になってしまうのか、と憂えていたら、やっと朝晩涼しさを感じられるようになって、ほっとしましたね。酷暑の間ずっとがんばってきた体は、気付かぬうちに大分疲れているようです。体調を崩す
子どもが増えていると聞きました。食べ物や生活時間に気を配って、体調管理をしてあげて下さい。
 パルの秋は、今年も作品展に向けて進行中です。10月30日(会場:パル年中年長展示) 31日(会場:パル・作楽会館 全学年展示) の2日間が会期です。作品展に向けてかなりのボリュームの作品をお預かりしていますが、展示は一人2点(平面一点・立体一点) ですので、選び出しをして出品作品を決定した後には、残りの作品のお返しがどっと出ると思います。申し訳ありませんが、搬送用の袋等常に携帯して頂けますでしょうか。(パルでも紙袋を用意しますが、とても全員の分は用意できません) 宜しくお願いします。
 パルでは作品展前だからといって、ことさらに子ども達を追い立てて造形をさせることはしないよう、気を配って行っています。しかし毎年この時期の年長さんに有りがちな傾向として、体操の時間は緊張がない交ぜになったふざけに走ったり、造形では自由な思考が出来ず、惰性のように作っている雰囲気が見えたりする子どもが出てきます。受験準備で疲弊していることが手に取るように分かります。後少しの我慢だ、と云う大人の想いは分かりますが、子どもには気持ちのコントロールは不可能です。緊張を切らさぬよう、本番まで持っていくという作戦は、果たして子どもに向いているでしょうか。緊張が思考を圧倒してしまう例が多々あります。ある受験塾の方に、最後の一ヶ月はゆったりと過ごさせるようプログラムしていますと聞いたことがありますが、実態はそうでないようで、分かっていながらなお追い立てをやめられない図式が見て取れます。知識を一生懸命溜め込むのは良いけれど、その知識を使って何らかの形でそれを外へと表出することが大切なことを忘れないで下さい。知識は知識として持っているだけでは意味が無い。知識を土台にものを考え、それを外に表して初めて知識は生きる。滞っている子の場合、知識の表出方法を身につけていない場合もあるでしょうが、緊張が表出を妨げているということも考えられます。パルでしている活動は、ただの息抜きと捉えたら大間違い、知識を統合させて個の感性を滞り無く表出する活動をしているのです。
 更に云えば、年中受験を控えている年少さんでもリズムを崩している子どもがいます。年長よりもっとプリミティブな年齢のこの子達には、尚のこときついだろうことは云うまでもありません。「考える」という活動は、どうしたら守り育てることが出来るのか、考えることの出来る子に育てる道筋をもう一度見直してみましょう。