幼児教室PAL パル・クリエイション

   
パル便り

パル便り9月号(チャイルド)

 毎日猛暑日! が続き、あの合宿の三日間がつかの間の天国だったように感じます。
夜、クーラーも無しに布団にくるまって寝ることが出来るなんて、想像できますか?

  東京が23日、24日とも雨に祟られたと言うのに、今年の合宿は奇跡のように全く雨に降られず、しかも程よい気温で、予定していた全ての活動を無理無くスムーズに進めることが出来ました。合宿復活から今年で2年目。より子どもの自主性を引き出す取り組みが出来たように思います。山への道を探検したり、原っぱで虫を追いかけたり、川遊びでカエルを捕まえたり、都会の日常ではぜったい味わうことの出来ない遊びを、ふんだんに行うことが出来ました。

 合宿等では、子どもの日常生活の一端を見ることが出来ます。今回の合宿も、なるべく“それぞれの身の回りのことは自分でする” を旨としてきましたが、例えばお風呂上がりの様子ひとつをとっても、自分でどんどん出来る子もたくさんいる中、
何もかも人にお任せと言う子もいました。2歳児クラスでなら、人任せも余り違和感は感じませんが、年中以上になるとちょっとアレレ? と思います。

何も合宿に限らず、普段の造形の授業にもそれは現れます。必要な材料を自分で集めていらっしゃい、とあえて ”子ども任せ”にすると、さっさとこなしていく子がいる中、いつまで経っても席を立てずにボーッとしてしまう子がいます。声掛けをして材料を取りに行かせることは出来ても、結局それをどう使っていこうかという主要な部分も1人では考えられません。このような状況を見ていくと、幼児にとって生活の中で育まれる力が如何に全ての基礎になっているかということを感じます。造形活動は総合的な力がものを云う活動です。描くにしても、作るにしても、どうやってゴールにたどり着くかを予測し、その道筋を探して進めていかなくてはなりません。勿論小さいうちは初めから完成の形を予測してから取りかかる と云う訳にはいきませんが、少しずつ進めていくうちに先が見えてくるという作業を 根気よく意欲を持ってやり遂げなくてはなりません。その間には認知する力も思考力も 技術も感性も、そして忍耐力も駆使しなくてはならないのです。お母さんの中には、 絵を描くにはただ形が思うように描けるようになれば全てが解決するように思って いらっしゃる方がおいでかも知れませんが、それだけでは ”描ける” ことにはならない のです。

 子どもが “自分で生活している” という実感を持たせることが、様々なことに覚醒した 認識を与えることになるのではないでしょうか。「生活のことはいくらでも手伝って あげるから、色々なこと覚えてね」は、順番が違います。造形に限らず、自分の日常を 少しでも自分で支えるという意識を子どもに持たせましょう。それだけで飛躍的に 伸びられるこどもがたくさんいます。

 授業のようすはこちらのフェイスブックよりごらんください。