幼児教室PAL パル・クリエイション

   
パル便り

パル便り10月号(チャイルド)

 今年は台風の当たり年。列島は今や水浸し状態ではないでしょうか。お彼岸前から気温が十月並に下がり、体調を維持できない人も増えているようです。
それでも又、暑さがぶり返すという情報もあります。体調管理も難しいですね。
 アメリカのPrudden,B.は、幼児に対する運動の必要性に関して、「以前のアメリカの子ども達は戸外の野山を自由にかけめぐり、危険が無く活発に遊んでいたが、現代の子どもは環境的にこのような遊びを制限され、歩くことも余りしていない。そのため身体的に弱く、精神的にも情緒の面でも問題を持つ子が出てくる。自分たちが過去にしてきた経験と同じようなことを我々の子どもに
させる為に、乳幼児期から運動を家庭でも積極的にさせるべきである。」と述べています.アメリカで問題にされている「制限」の内容と日本のそれとでは、重なる部分と異なる部分がありますが、いずれにせよアメリカで20年以上前にこのような提案がなされたということに耳を傾けるべきでしょう。日本の都会の真ん中に住んでいる子ども達は、物理的に駆け回る場所が更に減る一方なのですから。
 ただ、幼児に「運動をさせる」ことについての昨今の大人の認識は、かなり
ズレているのを感じます。大人が自分の健康維持の為に運動をする、もしくは
専門的に1つの運動種目を極めたいという場合、勿論自分の意志で目的を設定するわけですが、幼児はその目的意識を持ちません。子供は本能的に、好奇心をエネルギーにして体を動かします。大人のように訓練を積むのではなく、その場その場を楽しんだ結果として体力や能力を自然に得ることができるというのが順当なのです。
 往々にしてお母さん方は、目に見える成果を見て安心なさるようですが、その成果の獲得方法が受動的だった場合、運動能力の獲得と反比例して自発的精神発達を手放す可能性があります。幼児は仲間とともに体を動かすことによって、社会性、情緒、個性等を獲得していきます。そのためには、いわゆる上意下達的な環境での訓練ではなく、仲間と遊んでいるような気持ちで且つ競い合いながら楽しんで体を動かすことが、真の発達に繋がるのではないでしょうか。
運動に関しては、身体能力の伸びにだけ着目するのではなく、心理的な部分により深い理解を持たなければなりません。
 気持ちの良いこの季節に、楽しい運動をたくさん出来たらいいですね。



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