幼児教室PAL パル・クリエイション

   
パル便り

パルだより11月号
 急速に秋が深まっています。もうコートが欲しい、という声さえ聞こえます。まだ当分、昼間は20度を超える日も有るかと思いますが、朝晩はグンと冷え込みがきつくなってきています。一日の最高気温に照準を合わせるのではなく、朝晩の温度にも気を配り、衣服の調節を心掛けた方がよいでしょう。
 今回は、生活保育実践研究会代表の本吉園子さんのご意見を取り上げてみたいと思います。この記事の要点は「子どもに失敗をさせる」事の大切さです。
————子育て相談等を通じて最近感じるのは、我が子に苦しまず、悲しまず、
困難に出会うことなく、何でも出来る良い子に育って欲しい、という完璧主義の母親が多くなってきたことだ。この背景には、我が子が失敗するのは親が失敗しているような恥ずかしさを感じている事があると思われる。それが嫌で、 我が子の行動全てにお膳立てをし、失敗しないように先回りをしてしまうケースが多いのだ。子どもは物事全てを体験して理解していく。幼児の場合、最初は全部失敗するから、失敗を通して知恵を身につけていく。危ないからと親が先回りしては、子どもの生きる力を奪ってしまう。大人が指示命令をすれば、 云われた通りに出来る子にはなるが、ただ大人に従っているだけで、何の力も 身につかなくなる。私は、幼児期は失敗するためにある、と考えている(後略)
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「失敗することを許さない」環境で子どもを育てることは、彼等に様々な弊害をもたらします。体操で新しい事に出くわすと、失敗を恐れてか ”あれは嫌だ”“これはやらない”と逃げる子がいます。身体を動かすことが気持ちが良くて、じっとしていなさいと云われても自然と身体が動いてしまうのが幼児なのに・・・
評価をされると思うと、気持ちが落ちていく。造形でも、どんな絵を描くことが正解なのかを見定めるまで手が動かない子がいます。絵に正解なんて無いのに、いったい何処の誰が「正解」を作り出しているのか・・・挑戦したい気持、 描きたい心、そのような意欲の育ちを無視することは、一人の人間の将来にどんな影響を与えるでしょう

 又、全てを受け入れ過ぎて、子どもの依存心・わがままを助長させている
例も有ります。子どもには何処までが許されて、何処からは許されないのか
といった制限も又必要です。どのみち、子どもの一挙手一投足に注目し過ぎる
子育ては、彼等に取ってとても息苦しいものになっているはずです。

 最後に、見学日のお父さんからのアンケートの一部を紹介します。
 『社交性をもっと持ってもらいたいですが、いろいろ欲しがり過ぎになってしまいますので、子どもなりに頑張ってくれればそれで充分です。』

授業のようすはこちらのフェイスブックよりごらんください