幼児教室PAL パル・クリエイション

   

パル便り

パルだより7月号 リトル/チャイルド

 梅雨というとそれだけで鬱陶しいのに、今年はそれどころではなく、果てしなく続く感染症の
脅威から気が抜けません。今年の梅雨寒は例年より寒暖差が激しいように感じます。肌寒さを感
じて風邪に移行してしまうとコロナ疑いが災いします。大人も子供も気候に上手に順応して生活
するよう心がけなければなりません。
 そうは言っても、2ヶ月会えなかった子供たちは、例年に増してアクティブです。ステイホーム
 で我慢してきた心を、パルで思い切り解き放っている気がします。この子供たちを安全に守る対
 策を取りながら、毎日の授業に精一杯取り組んで行こうと思っています。
今回の騒ぎの中で、国や自治体がどのように事を進めているのか、その判断の根拠に失望した
り、又強く頷いたりします。こんな状況下だからこそ、前例を持ち出したりどこかに忖度したり
する事は無用なのですが、さてこの国の教育は国民に「正しく思考する」ことを育んできたでし
ょうか。正しく思考する大人になるために、就学前の子供たちに必要なことは何でしょう。豊か
な人間関係を育み、何にでも好奇心を持ってイキイキと生きる、という土台を作ることが何より
大切なはずです。自分の頭で考え、適切な選択のできる人にするためにはどのように子供を育む
べきか、この一年を通して考えていきましょう。
 今回は外山滋比古先生の「思考の整理学」と言う本の中から、一節をご紹介します。
????人間には、グライダー能力と飛行機能力とがある。受動的に知識を得るのが前者、自分
で物事を発明、発見するのが後者である。両者はひとりの人間の中に同居している。グライダー
能力を全く欠いていては、基本的知識すら習得できない。何も知らないで独力で飛ぼうとすれ
ば、どんな事故になるか分からない。しかし現実にはグライダー能力が圧倒的で、飛行機能力は
まるで無し、と言う”優秀な”人間がたくさんいることも確かで、しかもそういう人も”翔べる”と評
価を受けているのである。学校はグライダー人間を作るには適しているが、飛行機人間を育てる
努力はほんの少ししかしていない。学校教育が整備されてきたということは、ますますグライダ
ー人間を増やす結果になった。お互いに似たようなグライダー人間になると、グライダーの欠点
を忘れてしまう。知的、知的と言っていれば、翔んでいるように錯覚する。
もし、今こんな人達に日本の行く末を託しているのだとしたら、薄寒い気持ちになりはしませ
んか?
学校という集団に取り込まれる前から、グライダー人間を造るようなやり方を幼児に仕掛けるこ
とは、賢明とは言えません。幼児を持つ親を惑わせている正体は何なのでしょうか。情報過多?
環境の悪化? 成果主義という怪物?・・・一度立ち止まって何にまどわされているのか、真剣に考
えてみてください。あなたの幸せの感覚は、将来のお子さんの幸せ感と果たしてマッチするでし
ょうか。良かれと思って子供に仕向けた事が、実は子供の精神を圧迫しているとしたら、それは
必ずや子供の将来に影響する事だと、受け止めて欲しいと思います。


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