幼児教室PAL パル・クリエイション

   

パル便り

パルだより6月号 リトル/チャイルド

 早いもので、リトルのクラスがスタートして一学期の半分が過ぎました。お母さんから離れら
れずに泣いていた子たちも、今やほとんど笑って教室に入ってくるようになりました。子どもの
心理はストレートで、心を開くにつれて色々やることが増えていきます。一切おやつに手をつけ
なかった子が、ある時から急に食べ始めたり、絵の具を触らなかった子がおずおずとですが触る
ようになったり。そんな変化を観察しながら、クラスの有り様を検討し、プログラムへと反映さ
せるようにしています。
 体操はここまで器具のサーキットを回ることで、自然な体の動きを高めることを目指しておこ
なってきました。新しい器具が出てくると、その器具の道がうさぎの畑であったり猿の住む森で
あったりを想定する話をして、子供をその世界に引き込みます。この先ももっとたくさんの想定
話をすることで、子供たちの理解を高める、共通認識の世界で友達と一緒に楽しめる等を目指し
ていきたい思っています。ここ何回かはリズム遊びの導入もし始めています。昨年のリトルさんは
毎回スキップのリズムを聞かせることで強制的指導なしに多数の子どもがスキップをクリアして
いきました。スキップができることがどうなの?と思われるかもしれませんが、まずスキップがで
きると体が弾んで楽しいのは確かです。そして「出来た!」という達成感を味わうことも子どもに
とっては宝です。
 造形は、初めの2、3週間はフロアーに幾つかのコーナーを作って、そこにあれこれ造形アイテ
ムを出しておき、気の向いた場所で遊んでもらうやり方をとっていました。しかし今は”造形の時
間”という独立した時間を取ってみんなで一つの課題に取り組んでいます。今までは、これなんだ
ろうと思うと我知らず手を出して、面白さを充分理解できないうちに飽きる、を繰り返していた
ように思います。それが今は「先生が何か話し始めたぞ」から始まって、質問に答えたり説明を
聞いたりさまざまにコミュニケーションを取りながら「今日の課題」へとやりたい気持ちを高め
ていって、そこから制作に入るというやり方へと変わってきました。没頭し始めると、終了の声
を掛けても終わらないということもあります。こうした時にバサッと活動を切ることをしない
で、子どもがどれほど集中を持続させるか見守るようにしています。周りにものが溢れた生活をし
ていたり、困るとすぐに依存できる大人がいたりすると、一人でじっと遊びに没頭することは難
しいかも知れません。長く一つのことに取り組んでいる我が子の姿に気づいたことがあります
か。大人から見たら同じ動作の繰り返しに見えることでも、子どもの内部ではさまざまな葛藤が
生まれ、あれこれ試行錯誤している最中なのかもしれません。こうした時間を過ごすことができ
るかどうかで、この先考える力がつくかつかないかが決まってきます。幼児が作った工作を見せら
れて、何を作ったか咄嗟には判断できないこともありますが、「これは、○○を作ったの。」と
詳しく説明を受けると、それを作った時の子どもの思考回路がまざまざと見えてくる気がして、
感心したり微笑ましく思ったりします。

授業のようすはこちらのフェイスブックよりごらんください。