幼児教室PAL パル・クリエイション

   

パル便り

パルだより10月号 リトル/チャイルド

 私たちがコロナと出逢ったのは、2019年12月のことでした。後3ヶ月程でコロナ禍の生活は、
まる2年になります。毎日ニュースで「今日の感染者数」が発表され、恐怖したり少し安堵した
り、まるでずーっとジェットコースターに乗り続けているような気分です。私たちは大人ですか
ら、自分のマインドをコントロールすることが可能です。が、子どもはどう感じているのだろう
と考えると、大きな不安を感じます。コロナ前に出会った子どもたちは私の顔を認知しているで
しょうが(ひょっとしたら忘れているかも知れません)、それ以後に出会った子どもたちは私のマ
スクの下の顔を知りません。リトルのクラスで子どもたちと接していると、私が精一杯目で笑っ
ていることを伝えようとしても、果たして届いているのか分からなくなります。人の気持ちという
のは、顔の表情から伝わる部分も大変大きいと思います。子どもたちは随分損をしているのだと
思います。そもそも不要不急の外出は避けてと言われる今、以前よりずっと会う人の幅は狭くなっ
ているでしょう。家庭ではその特性故に、全てを言葉にしなくても通じてしまう毎日が繰り返さ
れていることでしょう。年長さんには、自分の意見をはっきり言葉で伝えてほしいと思って、授
業では出来るだけ質問の機会を作っていますが、単語で返ってくることが結構あります。
 子供の思考の土台となるのは「親の母語=日本語」です。大切な日本語ですがほぼ単一国家で
ある日本で生活していると、その重要性は余り顧みられません。大抵の子どもは自然に日本語を
話せる様になるので、わざわざ家庭で日本語を教える必要は感じられないのでしょう。子供の
日本語を強固に育て、思考力を伸ばす最高の方法は「読み聞かせ」をすることです。親が絵本を
読んで聞かせると、子供は想像力を働かせ、頭の中にイメージを想起します。ストーリーを具現化
して、映像を見ているかのように自らのイメージの世界を楽しめるようになります。このイメージ
化の訓練が足りないと、本を読んでも理解が充分に伴わず本の世界を楽しむことができません。
現代は子どもの周囲に映像メディアが氾濫していて、本の世界を経験する以前にテレビや動画の
楽しさに慣らされてしまっています。すると子どもの脳は頭の中で想像力を働かせることが面倒
だと感じるようになります。かと言って今更映像を全てカットすることは不可能でしょう。ではど
うすればいいか? 映像視聴に費やす時間に負けないように絵本の読み聞かせをしましょう。本が
好きな子供に育てば、子どもは本を通して語彙を蓄え知識を増やし、理解力を深め思考力を高め
ていけるようになります。物語で語られる情緒に触れることで、今の不自由な生活で感じること
が少なくなった人との触れ合いの暖かさも味わうことができるでしょう。
 今、子どもにしてあげられる事は何か ? 経験したことのない禍の中にいて、深く子供の実情に
心を傾け、大人の出来ることを一生懸命探しましょう。            高崎

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