幼児教室PAL パル・クリエイション

   

パル便り

パルだより11月号 リトル/チャイルド

いつまでも暑く、夏物をしまうにしまえず、と思っていたら突然秋を通り越して冬のような気温
に。子ども達も気温の乱高下にやられて、鼻水が・・・とお休みの電話が多くありました。大人
も同じくなんとなく不調です。衣類、寝具夫々適切な状態に早く移行しなくてはいけませんね。
 10月は、年少・年中のクラスの見学日がありました。子ども達の元気に走り回る姿、集中して
物を作ったり描いたりしている姿を見て頂けたと思います。毎回見学日にお母様方に書いていた
だいている「アンケート」に目を通していると、その内容に嬉しくなったり悲しくなったり、様々
な想いが去来します。授業の要点を理解してくださり、子どもへの刺激を喜んでくださる文章に
接すると、やりがいを感じます。しかし時折、授業へのお子さんの反応に、苛立ちを覚えるご感
想を目にすると、反省したり悲しくなったり・・・お子さんの集中力や根気がない、さらには
取り掛かるスピードが遅い、作業が遅い、困っても先生に質問ができない等の感想をよく見かけ
ます。子どものせいなのか、教える側の力不足なのか・・・アンケートに書いて暗に私どもへの
要望を伝えてくださったいるのなら、明日への進歩につながるよう努力を惜しみません。しかし
書いてあることがそのままお子さんへの叱責になっているとしたら、と思うと悲しくなるわけで
す。
 脳に関する研究は急速に進んできました。脳は学習によって知識情報処理と価値判断の神経回
路を自己組織します。それによって価値基準の記憶を形成します。五感を通して獲得された外部か
らの情報は、脳の価値基準に照らして処理され、言語として表出されます。その表出に対する周囲
の反応等によって更に脳の知識と価値基準が修正されるのです。人間の脳は経験によって学習しま
す。そのことは子どもの成長にとって「経験」が極めて重要だということを示しています。人は、
経験しないことには脳に神経回路を持つことができないのです。親は自分の脳に作られている判
断基準を子育てに当てています。子供の時代に苦労した経験を持つ人が、親心から子どもに苦労
を避けさせたいという願いに傾くと、子供の経験を狭める結果となります。何々が出来ない、と
我が子に感じるのは、大人がすでに培っている価値基準に基づいた感じ方です。それをそのまま
子どもに要求するのは意味がありません。子どもは大人と同じ価値基準を持つに至っていないか
らです。そしてその溝を埋めていくのは、様々な経験だということです。
 子どもの「出来ない」ことに目を向けるより、「こんなことが出来るようになった」と考える
ことで、子供に対する見方が穏やかになり、子どもは認められることで自信を持つことが出来る
ようになります。どんなに緊急な事態でも(受験など)、今目の前の出来ないことを出来るようにな
れと子供に強制しても、すぐには修正できず、子どもの劣等感や心の傷に繋がり、良いことはあ
りません。そしてひとつおまけに言わせていただくと、受験する幼稚園・小学校の面接時に、上
記の内容を理解し実践していることを心から伝えることができると、かなりポイントは高いとい
えます。目の前の子供の出来るできないに一喜一憂するのではなく、子供の能動的な行動による
経験の積み重ねを見守るのが親の役目である・・・・と。
                                            高崎

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