●パルだより8月号 リトル/チャイルド
暑さが異常な上がり方をしています。意識して水分を摂りましょう。パルでも体操の途中に給水タイムを取ったり、子どもの要求に応じてその都度水を飲んでもいいことにしています。6日の土曜日の雷雨も凄かったですね。私が体験したことのある最も激しい雷雨は、ベトナムで経験したものですが、6日はそれに匹敵するほどのものでした。日本はもはや熱帯になってしまったのでしょうか。後戻りは出来ないのですかね。小学生の頃夏休みの宿題に、毎日の気温を折れ線グラフにするというものがあったのですが、毎日30度を超えることはなくたまに温度計が31度を示すとちょっとワクワクしたものです。あの頃に戻りたいです。
今回は、お伝えしたいトピックスが2つあります。
まずひとつ目は年長さんの保護者の方へ。私立小学校を受験なさろうと思っている方もいらっしゃると思いますが、どのように候補選びをなさっていますか? 今私立小学校は、説明会やら学校見学やらが目白押しです。ホームページ等を見ると呼び名は様々なのですが、授業公開・公開授業・授業見学・授業参観等の文字が散見されます。このような項目が書かれている学校に行く予定だったら是非どんな授業をしているのか見てきてください。施設が整っていることも大切ですが、なんと言っても学ぶ中身がどうなっているかが一番大事です。ご存知かも知れませんが、日本の教育は世界の主要国に比べて30年程遅れをとっています。1989年ベルリンの壁崩壊によって冷戦は終結しました。世界はそこから一挙にグローバリゼーションが進行し、政治・経済・産業・教育のイノベーションが急速に進展しました。では何故日本はその波に乗らなかったのでしょう。33年前の日本は世界一経済が成功していた国であり、バブル経済の真っ只中で、危機意識が全くなく、あらゆる分野のイノベーションは実施されず放置されたのです。教育改革では最も遅れた国の一つになっています。ほとんどの国では150年前に成立した教師中心の一斉授業の教室は姿を消し、学習者を中心とする探究と共同の教室へと変化を遂げました。このような観点から、みなさんが足を運ばれる学校の学びの本質を確かめていただきたいのです。教壇に向かって一方向に並べられた子どもの席、そこで1時間の8割を先生が話す。これはかつて私たちが受けた授業でした。それが今どのように変化しているかを是非確かめてください。そして新しい学びが定着しているかを、高学年の授業を見学することで検証してみてください。知識を与える昔ながらの内容なのか、提示された疑問を子供達が自分たちの思考で解決へと導く内容なのか、そこまで意識してみていただければ良いと思います。
ふたつ目のトピックスは、子どもたちと社会とをどう繋げるか、という問題です。6月の年長さんの授業で粘土の「塔」を作るカリキュラムをした時の話。エッフェル塔の写真を見せてエッフェル塔のある国、町の話をしたのですが、「もうすぐ全世界が集まってスポーツで競う大会がある町だよ」「これは何のことか分かる?」と言っても、一向に答えが返ってこず、「オリンピックのことだよ」と言っても「えっ、?」という感じで、世の中のことに関しては不案内なようでした。世界ではどんなことが行われているのか、彼らが興味を持つ入り口を少し開けて見せてあげてはどうでしょう。悲惨すぎる事柄や醜い争いはあえて見せる必要は、今はないと思いますが、人々が関心を持つことに触れて、それをどう自分の中に落とし込む作業ができるかは、彼らの自律心にも繋がるはずです。
酷暑の夏、くれぐれもお体大切にお過ごしください。
授業のようすはこちらのフェイスブックよりごらんください。 |